分骨を行う方法

ご自宅で分骨を行う方法をご説明いたします。

手元供養を初めて行う場合、不安を感じてしまうのが「手続き」や「法的な問題」です。ご自宅で分骨を行う際に、注意すべき点や具体的な方法についてご説明いたします。

■全ての遺骨を手元供養するなら手続きや申請は不要

遺骨を”埋葬”する場合は、公的に認可されている墓地への【埋葬許可証】の提出が義務付けられています。遺骨をご自身で保管する場合はその限りではなく、特別な手続きや申請は不要です。

しかし現実的には遺骨全てを自宅で保管するよりは分骨して少量の遺骨を手元供養するのが一般的です。その理由は遺骨の量で、性別や年齢によって違いはありますが大人であれば一般的に重さにして2kg前後となります。小さな骨壺やインテリア風のコンパクトな手元供養が出来なくなってしまうため、基本的には一部を持ち帰る分骨が主流です。

■分骨で残った遺骨をどうするかによって必要な手続きが変わる

手元供養では一般的に”少量の遺骨”を分骨して自宅で保管します。分骨で残った遺骨をどうするかで、手続きや申請が必要になるのでケースごとに解説していきましょう。

・お墓×手元供養

お墓に納骨をする上で、手元供養もしたいというケースが最もポピュラーなケースです。この場合は、埋葬許可証を提出する必要があります。一般的な葬儀社を利用した場合なら、業者が代行して埋葬に関する手続きを行ってくれますので、分骨して一部を手元供養したいと予め伝えておくとスムーズです。ご自身で行う場合も、役所へ足を運び埋葬許可証に必要事項を記入して提出してお墓へ遺骨を入れれば問題ありません。

・永代供養(樹木葬)×手元供養

個人が管理するお墓とは別に、寺社や霊園が管理する永代供養墓というお墓が存在します。お墓の継承など面倒な手続きが不要で、宗教も問わないことから近年利用者が増えている埋葬方法です。同様に、法的には”墓地”という扱いとなっている樹木の下に遺骨を埋葬する樹木葬という方法も人気となっています。どちらの場合も、費用は発生しますが高額な土地や墓石を購入する必要が無いため面倒な手続きや申請を省いて少額で埋葬することが可能です。

・散骨×手元供養

遺骨をパウダー状に砕いて海や所有地に撒くことを散骨といいます。実は墓埋法(墓地埋葬等に関する法律)によって定められているのは、遺骨を地面に埋める”埋葬”に関する事由のみで、散骨を取り締まる法律は現状では存在していません。遺骨はすり鉢などで粉末状にすることが可能ですが、自治体によっては散骨を認めない条例を定めていたりもしますので、ご自身で行う際には確認を取ってから行いましょう。海洋散骨を請け負う業者なども増えてきていますので、散骨も自分でやるよりは業者に依頼するケースが一般的です。

■複数の場所に埋葬する場合は分骨証明書を

手元供養では不要ですが、将来的に遺骨をどこかへ埋葬する場合は「納骨証明書」や「分骨証明書」は予め取っておきましょう。複数の場所へ埋葬する場合、市区町村で発行される分骨証明書が必要です。

ご自身が手元供養を管理している間は不要ですが、万が一管理が出来なくなってしまった際に遺骨をどこかへ埋葬するなら分骨証明書を予め取得しておくとスムーズです。

家族間で手元供養で残した遺骨を将来的にどうするかを話し合っておけば、もしものときに安心できるので事前に準備しておきましょう。